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不動産・株式が過剰評価され資産バブルとなっている状態だと指南



 2023年11月1日~2日、住まい・建築・不動産の総合展がインテックス大阪で開催された。

2日、当社の代表で、親会社Casa(カーサ:東京都新宿区)執行役員ビジネスソリューション部長、木全商店(名古屋市)代表の木全雅仁(きまた まさじ)は、(一社)DX不動産推進協会(東京都中央区) のメンバーの立ち位置で講演を行った。テーマは「未来の設備導入やAI管理システムなどによるサスティナビリティが求められるESG投資とは」とした。



インテックス大阪にて登壇する木全社長


 冒頭で、略歴や家主としてマンション・アパートを12棟所有していることなど自己紹介を行い、同協会について、不動産業界でのDXを旗印に、

ビッグデータの整備や、政策提言活動をしているなど事業内容について説明した。

 二部構成として、一部は 「アフターコロナ時代の不動産業界の2023年以降について」と題し、現在は、資産バブルと認識することが大切と指南した。木全氏は「国債の買い入れによって金利が低下することで、不動産や株式などの資産価格が上昇し、長期化すると過剰評価が生じることがあり、資産バブルとなっている」と述べた。

将来的に、金利が上昇したときに生じる住宅・不動産業界への影響は大きく3つ。

1.住宅購入需要の減少

日銀が利上げを行うと、金融機関の貸出金利も上昇するため、住宅ローンの金利が上昇する。そのため、住宅購入需要が減少する可能性がある。

2.住宅価格の下落

住宅購入需要が減少すると、住宅価格が下落する可能性がある。住宅ローンの金利が上昇すると、買い手が減少するため、売り手側は価格を下げざるを得ない場合もある。

3.住宅建設業界の影響

住宅購入需要の減少や住宅価格の下落により、住宅建設業界に悪影響が及ぶ可能性がある。労働者や企業にとっては、需要の減少による仕事量の減少や収益の減少が懸念される。



2025年から賃貸住宅を含む全ての建物で「省エネ基準適合適判」が義務化



 二部は「アフターコロナでの具体的な方向性について」を取り上げた。

 まず、首都圏の単身用・DINKS・ファミリー向けマンションの上昇率、家賃比較を行った。

 2022年と20年を比較して、DINKS・ファミリータイプでは家賃が上昇した。一方、単身用は下落した。要因は、学生や法人、外国人の入居者が減少したこ

と、コロナ禍以降の住み替え検討者のニーズが変化したことが考えられる。「学生や新社会人需要がコロナ禍前に戻ることは難しいのではないだろうか」(木全氏)。



間取りが広いファミリータイプの家賃は上昇傾向にある


 つづいて、2025年からは賃貸住宅も含めて全ての建物で省エネ基準適合適判が義務化されることについて解説した。

 国土交通省は新築、増改築における省エネ基準への適合を義務化する予定。基準を満たした新築が市場に増えれば、満たしていない既存住宅は不利になる。木全氏は「トヨタがEVで苦しんだように、建物の省エネ義務化と、不動産がターゲットになっていくのでは」と推測する。

 また、ESG投資普及に向けた国土交通省認証制度について、設備における健康性、快適性、安全性だけではなく、運営管理システムプログラムにも求められるという。

 同社ではリモート管理システムを導入し、管理業務の効率を図るとともに入居者の満足度向上、入居促進につなげている。「賃貸業界にもサスティナビリティを求めたESG投資が必要」と熱く語った。



ライター:加藤有里子
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