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床の傷からクロス、扉の穴までリペアで補修

オーナーからハウスメーカーまで2000社以上から依頼

えのき工芸(兵庫県芦屋市)榎光彦社長

「リペア普及協会」の屋号で床や壁、ドアや家具などの傷補修を行うえのき工芸(兵庫県芦屋市)。

ハウスメーカーや工務店、リフォーム会社や不動産会社などこれまで2000社以上と取り引きしている。「大抵の傷や凹みはリペアで補修できる」と話すのは榎光彦社長。フローリングやクロス、ドアの傷や穴、サッシの凹み、キッチンの収納扉、家具などほとんどの建材や家具で修繕できるという。

2004年の設立からしばらくは、ハウスメーカーや建設会社から寄せられる新築の引き渡し前に見つかった傷直しが圧倒的に多かったが、現在では新築・既築のマンションや戸建て住宅、ホテルなど幅広い。施工は1日20〜30件ほどで、急な依頼も多く翌日対応することもある。

補修の文化広めるべくスクール開設 国・行政からも賞授与

ドアに空いた穴も分からないように修繕できる

リペアの技術を提供しようと、10年ほど前から「リペアスクール」を実施。クロス・シート貼り、ステンレス補修、建材塗装コース学びたい項目ごとに1〜2日間のコースを設けている。さらに同時期、補修で独立開業したい人を対象とした「補修道場」を設立。1カ月間、研修と実際の現場で施工体験を行うとともに、経営手法から補修技術、アフターフォローまで手厚いサポートが受けられるという。

しかし、同業者が増えることで仕事の取り合いが起き、マイナスも生じる可能性があるにもかかわらず、なぜ広げていくのか。榎社長は「世にまだリペアが周知されておらず、言葉も聞いたことがないという人がほとんど。工事会社や不動産会社やオーナーですら、まだ知らないケースが多い。広めていくことで物の再生やコスト削減に寄与できたら」と話す。

5年前には一般消費者にも住宅補修の文化を広めたいと、新聞社やNHKなどのカルチャーセンターにおいてリペアスクールの開講も行っている。これらの取り組みが評価され、行政や団体からビジネスグランプリや成長期待企業などさまざまな認定や受賞を授与したり、中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業の助成金を採択したりしている。

地方創生で淡路島に研修センター設立予定

受講生がフローリング補修を行う様子

榎社長の夢はこれだけにとどまらない。

兵庫県淡路島に立つペンションを購入し、今秋には研修センターを新設しようと計画しているのだ。

現在、補修道場のある神戸市内の営業所はアクセスが良いが、遠方からの参加者の宿泊費や駐車場が高かったり、研修後の意見交換をする場所がなかったりなど以前から懸念材料が多かったという。淡路島に宿泊を兼ねた研修センターを設けることで、費用面はもちろんのこと、受講者同士意見を交わしたり、自然豊かな環境で満足してもらえたりするのではないかと思い立った。

物腰は柔らかいながら「受講生同士のより発展的は向上を図るとともに地方の魅力を伝え、地域や社会に寄与していきたい」と意気込む榎社長だった。

ライター:森山清一





えのき工芸(兵庫県芦屋市)
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