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コラム詳細

15年前から女性投資家として活躍し、ビルやアパマンなど複数所有


アクセントカラーを取り入れたビル



クロスランド(大阪府寝屋川市)八木晴美オーナー



今から15年前の2008年。リーマンショックで不動産の物件価格が下落した際に、不動産投資をはじめた人は多いだろう。しかし、そのとき、投資家となったのはほとんどが男性だ。今回は女性でいち早く不動産投資をはじめたクロスランド(大阪府寝屋川市)八木晴美オーナーをクローズアップする。

 八木オーナーは京都大学を卒業後、上場企業で人事関係の仕事に従事し、全国を飛び回る生活をしていた。そして結婚を機に、30代前半で退職した。勤務意欲も向上心もあるため何か事業をしたいと考えていた。そんな中、投資に関する書籍が目に留まり、不動産賃貸業に興味を持つようになった。八木オーナーは「親戚が家主業をしていたのでなんとなく知っていた。しかし知識はなかったので勉強しようと思った」と話す。不動産投資の書籍を100冊ほど読み込み、インターネットで情報収集をしたり、人口動態を調査したりと知識を身に付けていった。また、飛び込みなどで不動産会社を1人で周り、情報収集に勤しんだという。

 そんな八木オーナーが初めて購入した物件は、大阪府高槻市内のアパートだ。JR京都線・阪急電鉄「高槻」駅から徒歩10分と駅に近いものの、10戸中7戸が空いている状態だった。空室は当然ながらリフォームが必要だったため施工会社を手配。工事の際には立ち合って大工や施工会社に修繕の概論を聞いたり、自らDIYで手伝ったりと実践することで、いち早く賃貸業のノウハウを学んだ。

 その後、戸建て賃貸や中古マンション、新築マンションなど購入。現在、マンションを中心に7棟所有している。

 設立してからしばらくは、大阪府内や京都府内のあちらこちらに物件を所有していたが、京阪電車沿線を中心に地域を集中していった。「エリアをせばめることで、管理がしやすくなった。修繕を検討した場合など、同時期に数棟まとめて依頼すればコスト面も管理面も幾ばくか楽になる」(八木オーナー)。



入居者がテナントを紹介してくれるケースも



室内のイメージ



 レジデンス以外にもビルを所有する八木オーナー。元々建設会社が所有していた物件が売却されたという情報を得て購入するに至ったという。

 ビル経営と賃貸経営の違いについて「ビルは賃貸住宅のように安ければ入居付けが早くできるとか、万人受けする間取りとかあるわけではない。一方、賃貸住宅に比べて、稼働中の経費がかからず滞納がないことがメリット」と八木オーナー。

 同物件は、京阪本線「京阪八幡市駅」から徒歩14分。府道に面している、角地だ。立地的に視認性が高いため、目を引くデザインにしようとリノベーションを行い、物件名のサインや支柱にグリーンのアクセントカラーを取り入れた。「商空間デザインに特化した工事会社が、周辺や入居テナントなどに溶け込むようなコンセプトで設えてくれた」(八木オーナー)。デザイン性だけではなくテナントにも配慮。放課後デイが入居しているため、安全性を配慮して照明を固定するタイプに付け替えるなどした。

 戸数は全9室。購入当初から満室が続いている。「新型コロナウイルスの影響で、インバウンド向けバス会社の撤退があったものの、すぐに決まった」という。テナントと良好な関係が築けていることから、退去する際に次のテナントを紹介してくれたり、2フロア借りてくれることもあるそうだ。

 今後の展開について、「エリアの動向や情報を分析して、新たな物件や土地を保有していきたい」と熱く語った。



ライター:加藤有里子
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