不動産経済研究所(東京都新宿区)は1月26日、2023年の「新築分譲マンション市場動向」について、「首都圏編」「近畿圏編」を発表した。
まず、「首都圏編」から見ていく。
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県における新築分譲マンションの販売戸数は前年比9.1%減の2万 6,886 戸となった。エリア別の内訳は東京 23 区 では、1 万 1,909 戸、東京都下は 2,282 戸、神奈川県 は5,962 戸、埼玉県は 3,030 戸、千葉県は 3,703 戸となった。一方、契約率は、昨年より0.1 ポイントダウンし、70.3%となった。
23区の平均価格は1億円超
1戸あたりの平均価格は 8,101 万円となり、昨年から28.8%上昇。平米単価は122.6万円となった。平均価格は 5 年連続、平米単価は 11 年連続のアップとなり、ともに最高値を大幅に更新した。
平均価格をエリア別にみると、東京 23 区では 1 億 1,483 万円(前年比39.4%アップ)と初めて1億円の大台を突破した。東京都下では 5,427 万 円(同 3.7%アップ)、神奈川県 は6,069 万円(同 12.2%アップ)、千葉県 は4,786 万円(同 4.0%アップ)だった。埼玉県 は4,870 万円(同 7.5%ダウン)となり、首都圏で唯一下落した。
最高価格、三田ガーデンヒルズの45億円~
供給戸数のうち、億ションは前年比67.6%増の、4174戸。最高額は「三田ガーデンヒルズ」の45億円だった。
全体の発売戸数は 2 年連続の 3 万戸割れとなったものの、高額物件の積極供給で、売り上げはアップしている。なお、24年の予定供給数は同データの23年に比べて15.3%増加する見込み。
供給戸数、神戸・京都で30%台減
次に、「近畿編」をみていく。
2府4県(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県)の販売戸数は、前年比13.8%減の1万 5,385 戸となった。
京阪神に絞ると、大阪府 は9,501 戸(前年比 11.7%減)、兵庫県は 2,666戸(同 23.8%減)、京都府 では1,772 戸(同 23.1%減)となり、軒並み供給戸数が減少していることが分かった。さらに県庁所在地別にみると、大阪市は6,529戸 (前年比 8.9%減)、神戸市 は971 戸(同 35.5%減)、京都市は1,365 戸(同 30.8%減)で、神戸市、京都市が前年比30%減と供給戸数が大幅に減少した。
一方、近畿圏全体の契約率は、前年比1.3ポイントダウンの71.4%となった。
近畿圏の最高額は「シティタワー天王寺」の5.5億円
1 戸あたりの価格は 前年比0.7%アップの4,666 万円、平米単価は79万円となり、1973年の調査以来、最高値となった。
1 戸あたりの価格について、大阪市内は同比9.7%マイナスの4,204万円。神戸市内では、27.5%増の4,958万円、京都市内は15%増の5,720万円と各地で異なる結果となった。
近畿圏における分譲マンションの最高価格は「シティタワー天王寺」の 5 億 5,000 万円だった。
近畿圏は首都圏と比較すると安価に感じてしまうが、戸当り価格は 6 年連続のアップで1991年以来の高値となった。2024 年の発売予測戸数は23年より約1,000戸増の1 万 6,500 戸程度の見込み。
不動産経済研究所WEBサイト https://www.fudousankeizai.co.jp/
首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023 年のまとめ https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/573/ss2023.pdf
近畿圏 新築分譲マンション市場動向 2023 年のまとめ
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/572/kk2023.pdf
ライター:加藤有里子
okiruy:https://okiruy.com/