セルフ洗車場「Whitepit」のイメージ
広々とした空間で洗車できるようにした
前々回のコラムで、近鉄不動産のセルフ式ドッグスパというユニークなサービスを紹介した。今回も、遊休地活用の新サービスをお伝えする。
コインランドリーや冷凍自販機などを展開するフジタカ(京都市)は、セルフ洗車場「Whitepit(ホワイトピット)京都伏見本店」を昨年11月にオープンした。
場所は主要幹線道路である油小路通に面した、京都南ICから車で7分という立地に直営店として開設した。
同サービスは利用時間に応じて精算する時間制を採用。洗車・仕上げを行う屋根付きブースを8車室、高圧洗浄を行う2ブースの合計10車室を設けた。ブースごとに仕切りを設けているため、隣への水しぶきを気にすることなく使用したり、圧迫感を感じないように、ブース内の空間を広く取ったりするなど利用しやすいよう配慮している。
前者は、手洗いや水の拭き取り、車内の掃除などを行えるブースとして、ブロワー、掃除機、シンク、コンセントの設備および、ホースやバケツ、足場台の備品を用意している。屋根を設置することにより、雨天でも洗浄したり、日差しによる水滴の乾燥を防止したりしている。11月から2月までの冬期期間は温水に切り替えるなどしている。
後者は、通常の水圧では落とせない泥汚れや砂埃などを落とすことができる、一流メーカーの高圧洗浄機を導入している。
洗車・仕上げを行う屋根付きブース。中には3時間以上洗車している利用者もいるという
セルフ式洗車場は、かつて数多く存在したものの、自動洗車機の増加により数少ない施設になったという。加藤義康執行役員は「自動洗車機での洗浄ではなく、自身で愛車を手入れしたいニーズがある。しかし、マンションの増加で自宅で洗車することは難しく、『洗車難民』が増加し需要が高まってきていると見ている。そこで当施設を提供する運びとなった」と話す。
「Whitepit 京都伏見本店」はバイクの洗車も可能。高さ2.5mまでの制限があるため、トラックやキャンピングカーは利用不可。利用料金は、平日は30分800円。土日祝は900円。以降10分ごとに100円加算となる。営業時間は5:00から0:00まで。
オーナーは加盟金、ロイヤリティ不要
一方、土地を貸したいオーナーや投資家に対して、同社は加盟制度を設けておらず、加盟金やロイヤリティなどの費用は不要にしている。さらに、月々のメンテナンスやコールセンター、駆け付けサービスは、各種専門会社とオーナーとで直接契約してもらう方法を採用しているという。「開業しやすくなるよう、費用負担を抑えて長期間運営してもらえるようにしている。そのため開業前に商圏調査をしっかり行っており、採算の取れない場所での開業はお断りして、無理な出店はさせないのが当社のポリシーだ」(加藤執行役員)。
同社はコインランドリー店舗を2500拠点以上開業してきた実績がある。その他、パーキング事業や自販機事業など無人ビジネスのノウハウを数多く提供している。
「Whitepit京都伏見本店」を実証店舗として検証し、コインランドリーとセルフ洗車場の併設なども考察し、全国展開を目指す。
ホワイトピットWEBサイト https://www.whitepit.jp/
フジタカWEBサイト https://www.fujitaka.com/
ライター:加藤有里子