前コラムでは物件売却時などに、家具や調度品を設置して、魅力的に見せるホームステージング事業者を紹介した。今回は、整理収納を通して売却をサポートする会社、インブルーム（東京都港区）を取り上げる。

　同社は個人宅やオフィス向けに整理収納を手掛ける「お片付けコンシェルジュ」を2007年に開始。企業としてサービスを行った先駆けでもある。これまで1万5000件提供してきた。

08年からは、新築マンションや戸建てのモデルルームを収納コーディネートしたり、監修したりするようになった。そんな中、中古住宅の販売時においてもサービスできないかを考案。入居中の状態を整理収納することで早期売却につなげるサービスを開始した。 「ルームアレンジメント」と題して、整理収納のプロが売却する家を片づけて整えたあと、プロのカメラマンが撮影して商品として引き立つように見せるというもの。これまで平均1カ月で売却できており、中には掲載直後に売れた事例もあるという。

階級分けして社内育成を徹底

主に玄関、キッチン、バスルーム、トイレなどの水回り、リビングダイニングにおいて、居住者が利用している家財や収納アイテム、小物を利用することで、購入希望者が部屋の広さや勝手を分かるようにする。佐々木有美香さんは「ホームステージングやインテリアコーディネートのように飾り立てるのではなく、現状置いてあるものから差し引いて見せるイメージ」と話す。

社内育成を徹底的に行っており、整理収納の資格「整理収納アドバイザー※」取得を必須とし、階級を9つに分け、成長に合わせて上がっていく仕組みをとっている。

費用は8万円（税別）。撮影費用込み。対象は100㎡以下の物件。発注の流れは、不動産会社が同社に依頼後1~2週間で作業日を決める。当日は4時間の中でルームアレンジメントとカメラ撮影を行い、2日以降に写真データを納品する。

※整理収納アドバイザーとは、特定非営利活動法人ハウスキーピング協会が、お片付けの理論と技術を身につけた人に対し、プロフェッショナルとして認定する資格。

インブルームURL：https://www.inbloomsacaso.com/20220314/https://okataduke.me/

ライター:加藤有里子