＜＜　ホームステージングで殺風景だった部屋が暮らしをイメージできるように　＞＞

ステージングサービス（大阪市）は中古マンションや賃貸住宅、新築戸建てなどでホームステージングを手掛けている。月に約15件導入しており、これまで1万2000件ほど提供してきた実績がある。

　同社がホームステージングを提供したのは今から11年前の2013年。社長の小寺秀樹さんは新卒で大手インテリアメーカーに入社したのち、大手家具量販店に転職。そこでハウスメーカーや不動産仲介会社と提携し、賃貸住宅やホテルなどで多数、モデルルームを設営してきた。12年には「ホームステージング」の本場であるアメリカに視察。物件をきれいに整え、家具やインテリアを設置して、魅力的に見せる手法に感銘を受け、同社を立ち上げたという。小寺社長は「モデルルームと混同されるが、ホームステージングには家を『商品』にしてから売りに出したほうが、高く、早く売れるという考え方がある。決定的な違いは『商品』として売ること（入居付けすること）に徹している点」と話す。

　設立当初は「ホームステージング」という言葉すら理解してもらえない上、ホームステージャーという職種もなかったため従業員の育成に苦労した。しかし、一度利用してくれた不動産会社から好評を得、口コミなどで徐々に広まった。今ではホームステージャーの職種も浸透しつつある。

物件の特長や周辺環境も調査し提供

導入の流れは、まず依頼者にターゲットや予算、納品日などをヒアリングする。次に同社が現地で下見を行い、物件の特長や周辺環境、どう見せたら早く入居が決まるのかなどを考察。社内会議を行い、プランを提案する。発注を受けたら1週間以内をめどに納品する。

　納品して不動産会社が売却できたら（入居付け）できたら、ただ搬出するという訳ではない。販売に時間が掛かっている場合は内覧者はいるのか、何が問題なのかを確認したり、成約となった場合には、どこが決め手だったのかなどを聞いたりしているという。小寺社長は「間取りや立地の問題でなかなか決まりにくいということもあるが、提供するからには物件の魅力を引き出すことが重要。今後も暮らしを演出し、早期の売却や貸出しを実現していきたい」と熱く話す。 　費用は3LDKの物件で、月額3万円程度。家具やインテリアの内容は、物件や予算に合わせて対応している。対応エリアは関西圏・東海圏。

ステージングサービス
https://www.staging-service.com/

ライター:加藤有里子