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コラム
COLUMN

コラム詳細

高維持費・空き区画増の機械式駐車場を解体・平面化



Before

After

埼玉県内の機械式駐車場(単純3段式2連/3連)。解体後、平面化し5基設置


スマートデッキ

柱と梁を組み立てる鋼製平面化工法『スマートデッキ』の施工イメージ



マンション、ビルなどに設置されている機械式駐車場。点検や部品の費用、はたまた設備の入れ換えと、維持費が高額にかかる。さらに人口減、車離れなどにより空き区画が増加。使用料収入も減少するなど悪化の一途をたどっている。

 剛力建設(東京都江戸川区)では、機械式駐車場を解体・平面化し駐車場や駐輪場、収納庫に変えるサービスを提供している。これまで全国各地に約1500施工した実績を持つ。

 そんな同社は元々、機械式駐車場の協力会社として25年以上、建設・メンテナンスに携わってきた。人口減少が進む中、機械式駐車場を撤去したいという相談が寄せられたのをきっかけに、平置き駐車場にできる商品をメーカーとして開発。9年前から展開するにいたったという。

 機械式駐車場には、都心の限られたスペースでも駐車台数を確保でき、近隣車両とのトラブルや犯罪のリスクが少ないなどのメリットがあった。しかし先にも述べたとおり、利用減や維持費が高額であることに加え、車高の高い車種が駐車できなかったり、EV車が充電できなかったりと現代のニーズに対応しきれていないのが現状だ。また、ゲリラ豪雨による車両の冠水や、設備の老朽化による死亡事故が発生するなどあらゆる問題を抱えている。



耐久性に優れた素材を採用


平面化するには地下ピットを埋める「埋め戻し」と、地下ピットに柱と梁を組み立て、その上に鉄製の平面を載せる「鋼製(こうせい)平面化」の2工法がある。同社では後者を採用。『スマートデッキ』の屋号で提供している。

 工法自体は一般的であるが、他社との違いは主に2つ。まず1つ目は柱、梁に日本製鉄の素材を採用していることだ。担当者は「鉄塔にも採用されるような、耐久性に優れる材質のものを使用している」と話す。2つ目は無溶接でボルトとナットを組み立てることで工事ができること。自社工場で加工しており、溶接不要のボルトに加工しているため、職人の技量に左右されにくく、火気が不要で屋内や地下でも問題なく作業ができる。このほか、第三者による構造計算書を取得するなどしている。

 柱・梁の主要構造部は永久保証としており、2年以内は無償保証としている。施工後2年間は無料で対応したり、長期メンテナンス計画作成したりするなどアフターサービスを設けている。「機械式駐車場を建設していたから構造をしっかり理解している。そのノウハウを生かして対応していきたい」(担当者)

コストの比較:

機械式駐車場を維持したときのコスト:
設備の入れ換え費用:100~150万円/台
定期検査費:1~1.2円万円/台・年
部品交換・修繕費:7~17万円/台・年
『スマートデッキ』を導入したときの費用:
屋内駐車場、単純2段式、1列の場合、約190万円(立地や型式などにより異なる)

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ライター:加藤有里子