前回(2022 年 3 月 21 日掲載分※https://esp-kyoto.com/)に引き続き、(公財)日本賃貸住宅管理協会(東京都千代田区)レディース委員会の「コロナ禍に おける賃貸住宅管理業界実態調査Report」について記載する。
今回はコロナ禍における社員への配慮、福利厚生に関する事項を中心に解説していく。
①「コロナウイルス感染防止に関連して、勤務先企業から支給・貸与されたものはあり ましたか」の問いに対し、「あった」が 7 割、「なかった」が 3 割だった。
また、「支給・貸与」されたものの内訳については以下の通りであった。
②「コロナウイルスに羅患した可能性がある体調不良(発熱など)を社員が訴えた場合、 勤務先企業ではどのような対応をしていましたか」については多い順に「有給休暇により一 定期間、当該社員の出勤を停止した」「分からない」「コロナウイルス対策のための特別休暇 を付与し、一定期間当該社員の出勤を停止した」「その他」「当該社員の裁量に任せて、対応はとくになかった」となった。
③「コロナウイルスに羅患した可能性がある体調不良(発熱など)を社員が訴えた、また は社員がコロナウイルスの濃厚接触者に該当した場合に、勤務先企業より当該社員に対し、 PCR 検査や抗体検査に関する支援などはありましたか」の設問では多い方から「あった」 「分からない」「なかった」であった。
「あった」と回答したうち、どんな支援があったかについて「検査キットの配布」「検査費 用の補助・負担」「検査機関の紹介」「その他」と答えた。
④「社員がコロナウイルス感染症の濃厚接触者に該当する場合、勤務先では、どのような 対応がとられていましたか」の質問では「有給休暇により一定期間、当該社員の出勤を停止 した」「分からない」「コロナウイルス対策のための特別休暇を付与し、一定期間当該社員の 出勤を停止した」「その他」「社員の裁量に任せて、対応はとくになかった」の順に回答があ った。
では、従業員の勤務先に対する思いやモチベーションに変化はあったのか。
⑤「コロナ禍において、勤務先の対応・情報伝達や連絡に満足していますか」に対して「ど ちらかといえば満足」が 45%、「どちらもといえない」が 32%、「とても満足」が 16%、「ど ちらかといえば不満」が 5%、「とても不満」が 2%となり、6 割が満足していることが分か った。
⑥「コロナ禍において、勤務先に対する愛着に変化はありましたか」では「変わらない」 が 81%「好きになった」が 16%と 9 割にも及んだ。
⑦「コロナ禍の今、今後、勤務先にどのようなことを期待しますか」については「コロナ 禍に合わせた職場環境の整備」「テレワークの推進・導入」「教育・研修の強化」「その他」 の順となった。
⑧「コロナ禍において、転職したいと考えましたか」は「いいえ」が 9 割と圧倒的に職場 に留まりたいと回答したことが分かった。
⑨「コロナ禍において、辛いと感じることをすべて回答してください」の質問には多い順 に「他社とのコミュニケーションの機会が減ったこと」「自分のやりたいことができなくな ったこと」「特にない」「その他」「収入・仕事が減ったこと」「家族と過ごす時間が増えたこ と」「子どもを預けられるところが減ったこと」となった。
⑩「コロナ禍において、自身の仕事で感じるストレスに変化はありますか」には「変わら ない」と半数以上が答え、「増した」「減った」の順であった。
⑪「コロナ禍において、仕事へのモチベーションに変化はありましたか」に対しても「変 わらない」が 8 割近くを占めた。
⑫「テレワークの導入についての所感」では「テレワークはできないと思う」と「テレワ ークをしたい」が拮抗する結果となった。
しかし、「今後のセミナーへの参加方法は、どのような形式を希望しますか」の質問では 「WEB 開催」「WEB・対面開催の併用」が 9 割を占める形となった。
まとめ~次号は、「会員企業の具体的な取り組み事例」を紹介する。
ライター:加藤有里子