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府営住宅の一室を女性専用シェアハウスに 全国初の取り組み

「保証人がいない」「住所がない」。そんな若い女性を支援するため、府営住宅の一室を改修したシェアハウスが茨木市内に1日、開設した。
場所は大阪府茨木市内。大阪府子ども家庭サポーターの社会福祉士・辻由起子さんと、シェアハウスの運営会社アドミリ(兵庫県尼崎市)が連携。府営住宅をシェアハウスするという全国初の取り組みだ。
辻さんはこれまで親や夫から虐待やDVを受けるなどして困窮する若年女性を支援しており、住宅がなく、賃貸住宅や公営住宅を借りられないケースを数多く見てきた。「公営住宅は一般的に単身者を受け入れていないうえ、住所がないケースや保証人がいない場合は入居することが困難」。
一方、アドミリの菊竹貴史代表はシェアハウスを関西圏に300室ほど運営するなかで、低所得者や留学生など、住む場所が必要な入居者を目の当たりにしてきた。

空室活用の一助として期待

リビングの様子。皆で団らんしたり、テレビを見たりしたりできるよう温かい雰囲気にした

2人は公営住宅を活用できないか国や府、市に打診。菊竹代表は「空き室率が高いといわれている公営住宅を、子ども食堂などのように空室対策として入居以外に使用する目的外利用として活用するに至った」と話す。
物件は3LDK。個室は3室で、ベッドやエアコン、収納スペースが設けてある。共用部にはテーブルやテレビや冷蔵庫などの家具家電が備え付けられており、着の身着のまま暮らせる。光熱費、インターネット使用料込みで家賃は2万5000円。共用部の定期清掃も含んである。シングルマザーの入居も可能だ。
形態はアドミリが大阪府から賃貸しシェアハウスの運営を行う。辻さんは「自立支援の成功モデルとして他にも波及できたら」と話す。菊竹さんも「ここがステップアップのため場となれば」と意気込みを語った。

写真に写る冷蔵庫や電子レンジだけではなく、鍋や食器も備え付けてある
居室のイメージ。カーテンや机なども設置している

ライター:加藤有里子